2013年3月

今年も2月の東京は何度か雪に見舞われた。上旬にはある芸術審査会の審議中でも降りしきり会議室から見える皇居の雪化粧が美しかった。

日本音楽高校バレエコースで今年もコース生全員約70名による特別授業に招かれ、オープンレッスンを指導を行った。この学校とのつながりは長く1996年から毎年1年も欠かさず務めさせていただいている。今年の生徒のなかではまだ生まれていなかった学年もいるわけで恥ずかしい気もするが、いつも熱心に耳を傾けながら受ける姿勢に目を細めた。特記したいことはビアニストの榎本真弓さんと第1回目からずっと一緒に開講していることである。昨年はお休みして小泉先生という方にお願いしたが、今年はふたたびコンビを組ませてもらった。レッスンティーチャーにとってビアノ伴奏はとても大切で彼女と長いパートナーシッブのおかげで毎回ベストコンディションで教えることが出来た。
うれしいことに今年5月に行う自分のバレエ公演にも本校卒業生がたくさん出演してくれることになった。たった年1度でおこがましい言い方だが、ここでも教え子と同じ舞台を共有出来る喜びを感じている。毎回お世話になっているバレエコース島岡彰子先生もレッスン終了後の挨拶のなかでそのことにも触れていただきありがたかった。

2月下旬に第28回大阪芸術大学卒業舞踊公演が行われた。毎年大阪国際交流センターで上演してきたが諸般の理由で今年度は大学内の芸術劇場で行った。2001年度から芸術監督を務めてきただけに学外で上演できず無念だったが、バレエダンサー学生たちはめげずに明るく公演に向かって稽古する姿勢にこちらが勇気づけられ、本番では600名近い観客を集めた彼ら彼女たちの熱い姿に心打たれた。公演も卒業制作作品や私の作品3作品など、みな完成度の高い出来映えで、東京をはじめ全国からかけつけていただいたバレエ関係者からもお褒めのお言葉をいだいた。本公演の伝統セレモニーのフィナーレは今や名物となり、それを観たくてお越しいただく観客もおり、今年もそのシーンになると卒業生をはじめ全舞踊コース生に熱い拍手を送って下さり、盛会のなかで幕が下りた。この模様は大学が持つケーブルテレビ番組でも放映された。

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