2012年10月

8月下旬に「なかの国際ダンスコンペティション」が行われた。毎年このコンクールに出場する新鋭の振付家たちの活躍を楽しみにしていて、今年もさまざまな作品が出品し、審査側も興味深く拝見させていただいた。

9月には大学舞踊コース4回生卒業公演のために振付する「パリジェンヌの喜び」の稽古を開始した。オッフェンバックの同名の音楽にフレンチカンカンダンスを主軸にした作品で、わずか2週間後に大学芸術劇場でキャンパス上演会で試演する強行日程ながら舞踊コース4回生生はみんなしっかり取り組んでくれた。3日間で仕上げるという早さでたいへんだったと思うが、最終日はリハーサル後に天王寺市内で全員で食事会をしてその稽古を労った。その食事会ではみんな大騒ぎしていたのは言うまでもない。

とき同じ夏の終わり頃から京都にも通い始めた。やはり勤めている京都バレエ専門学校主催による「卒業生の会」というバレエコンサートが9月中旬にあり、ダンサーとして出演させてもらうことになり、そのリハーサルのためであった。思いがけない出演依頼で、なぜかといえばバレエ専門学校の理事長でおられる蘆田ひろみ先生とご一緒に踊ることになったからであった。蘆田先生は国内におけるバレエ解剖学の権威でおられ長く親交があり、大阪芸大にも非常識講師として教壇に立っていただいているので力が入らないわけがなく、オペラ・タンホイザーの名曲「夕星のうた」をバレエ化するべく振付させてもらった。騎士ウォルフラムが恋心を抱く主役エリザベートの旅の無事を祈ったアリアで(注:物語では彼女は旅の最中病いに倒れてしまう)で甘くせつない旋律が美しく、本番は台風にも関わらず専門学校生と大学舞踊コース生と双方の学生が多く入り交じって集まり、舞台ホリゾント一面に広がる星模様を背にふたりで精一杯踊らせていただいた。終演後は校長有馬えり子先生、日本バレエ協会長薄井憲二先生、バレエ専門の週刊オンステージ新聞社長の谷孝子先生たちと囲みながら京の風情先斗町そばで出演者たち一同と打ち上げに参加させていただいた。

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