2013年11月

合唱舞踊劇と題してカール・オルフ音楽の「カルミナ・ブラーナ」全曲を舞踊家佐多達枝先生がバレエ作品としてオーケストラ・コーラス・舞踊の三位一体による公演が今年も10月に上演され、それに今回も出演させてもらった。20年近く前から上演を重ねて8回目となり、全公演に出させていただいた。自分のバレエ人生のなかでもっとも長く踊り続けた作品で感慨深かった。昨年に続き国内最高峰のバレエ・オペラの殿堂・メッカである東京文化会館で踊れたこともうれしかった。

大阪芸術大学舞踊コースの卒業制作公演が今年も11月1日に行われた。この公演のために舞踊コース4回生(関西の大学では学年の呼称は〇年生ではなく〇回生とよぶ。つまり4年生の意)は半年間ほぼ毎日この公演のためにレッスンや振付、リハーサルに明け暮れた。わずか18名が作品づくりから踊り・衣裳・パンフレットまで、すべて制作から上演まで行う。今年の舞踊作品5作品はすべて素足のモダンダンス手法によるもので、コンテンボラリーダンスとも呼べなくはないが、舞踊コースの作品づくりの主幹は舞踊史をとおして過去から未来を見つめ舞踊創作させるアカデミックな創造性を求めている。舞踊大学における舞踊教育を念頭においているのであまり感性だけを頼りに自由奔放につくらせることはせず、さまざまなカリキュラムのプロセスで得た知性を発揮させている。今年も彼ら彼女たちは長い稽古期間のなか、仲間と共に汗を流し、また時に仲間同士で衝突して涙を流し見守る側からみてもつらい側面もあったが、どの作品も力作で、公演を立派に上演させた。終演の際のカーテンコールでは涙なみだで後輩たちから花束を受け取る姿が深く印象に残った。

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