2021年6月
6月9日水曜日東京・めぐろパーシモンホールで無事に「堀内 充 Ballet Collection 2021」公演の幕を下ろすことが出来た。2013年からスタートさせて9回を数えたが、昨年はこの時期ではなく、コロナの影響で9月9日に延期して公演をしたので、この1年で2回公演を行ったことになった。公演については公演後記を読んでいただきたいが、ダンサーのメンバーもほとんど変わらず、観に来ていただいた観客からは統率が取られ、まるでカンパニーのようなまとまりがあったという感想をいただいた。この公演シリーズはスタート当初から定期的に時期、劇場を定めて上演することを目的とし、いずれカンパニーのような体制になればという想いがあっただけにうれしいことばでもあった。数年前から文化庁芸術文化振興基金からも援助をいただけるようになり、幸せなことに来年の劇場も取れた。毎年上昇していた観客動員もこの2回政府により観客数上限を半数にさせられ運営面では痛かったが、来年も例年どおり開催を目指していくつもりである。
3度の緊急事態宣言発令は大学授業にとっては影響が大きい。大阪芸術大学舞踊コースでは大学教務課の指示により日々の登校を1学年クラスに制限され、他はオンライン授業となっている。オンライン授業は舞踊授業にとっては完全なものではなく、在宅で受講する大学生にとっては苦労が尽きない。電波や通信障害で中断したりもある。しかし舞踊コース生は私が呼びかけている「どんなことがあっても成長をやめるな」という言葉に応えて、みな在宅でマイバーやマイリノリウムを購入、あるいは手作りで用意し、日頃と同じようにレオタード、タイツ、バレエシューズ、ポアントシューズ、レッスン用ヘアスタイルで臨んでくれ、ポアントワークやジャンプまで可能な限り挑む。そんな健気な姿を見ながら授業を進めアンシェヌマンを与えているうちに涙が出てきそうになる。オンライン授業に制約している大学当局が決して悪い訳ではないが、若者の行動が感染拡大の要因と報道されているが私の身近ではそんなことはなく、未来の社会に向けて頑張っている姿がここにはある。大人たちはもっと目先の感染対策に躍起ばかりせずに、この素晴らしき彼女彼らに手を差し伸べてほしいものである。