2021年12月
11月から12月にかけ気温も下がり寒さを感じるようになった。感染者も抑えられてきたようだが、周りは依然感染慎重に対策が取られている。11月から年末にかけて東西の大学で3つの大学舞踊公演があり、舞踊学生にとっては1年でもっとも大切な舞台なのだが、玉川大学芸術学部パフォーミングアーツ学科で行われた舞踊公演では観客席のソーシャルディスタンスは解かれたにも関わらず、舞台上のダンサーたちはマスク必須での上演が続き、それを見守る側にとってはとてもとても心痛ましい限りであった。何とかさまざな方法を探りながらマスクを外して踊らせてあげられないものかと学科研究室に直訴したのだが受け入れられず巷のスポーツ界や劇場では演じる側はすでにマスクなしで行っているだけに残念で他ならなかった。玉川大学舞踊公演では今年も自作の振付作品を発表させていただいたのだが、踊るダンサーたちは健気に1年に1回の晴れ舞台を懸命に務め、そんな若い彼女たちに最大の拍手を送った。あなたたちの姿は永遠に忘れないと心に誓いながら…。
一方12月には大阪芸術大学舞踊コース3回生20名と2回生14名がそれぞれ単独で舞踊公演上演を果たした。こちらは舞台上では通常どおりに踊ることが出来たが、大学が誇る美しい芸術劇場の客席は残念ながら入場制限が敷かれていた。それでもこの状況下公演が達成できたことに感謝していますと舞踊コース生たちは終演後口を揃え、そんな姿に心打たれた。巷の報道では若者たちの活発な行動が感染要因として指摘されているが、これらのように私の周りはこの有事ともいえる事態の日々をしっかりと受け止め、社会に勇気を持って立ち向かって生きている若者たちの姿で溢れている。暗示される未来の社会は暗いことばかりではなく、彼女たちのような存在がいるからこそ希望を抱くことができるのだ。
今年1年も多くの振付作品を上演させていただいた。
ヴァイオリンコンチェルト(ブルッフ音楽)
グラズノフ・スイート(グラズノフ音楽)
ピアソラ組曲
カルメンよりジプシーたちの踊り(ビゼー音楽)
新世界(メンデルスゾーン音楽)
バラード/ショパン〜幻想と夜想
コンダクト(ブリデン音楽)
ラ・バヤデールより宮殿の場(改訂版)
花の精たちのワルツ(チャイコフスキー音楽)
グラズノフ・スイート(新国立劇場版)
月光(ベートーヴェン音楽)小佐野圭先生演奏
星空と海
ウエストサイドストーリーよりシンフォニックダンス(バーンスタイン)
サンパウロの空の下(宮下和夫音楽)
チャイコフスキー組曲
とバレエ15作品〈新作5作品〉を上演させていただきました。
年間を通してこれだけの作品を一般の観客の方々にお見せできたのも踊ってくれたダンサーたちの生身の身体があるからこそで、演じてくれた100名を超えるバレエダンサー、舞踊学生たち彼女ら彼らに心より感謝致します。
そして皆さまにとって新しき年が幸多きものとなりますよう祈念致します。