2022年12月
自分にとって秋から冬にかけては毎年大学のバレエ公演ラッシュだが、巷でも秋は舞台芸術が盛んだ。5年前までは秋になるとクリスマスに必ず堀内版くるみ割り人形を栃木県宇都宮にある素敵な公立の栃木総合文化センター大ホールで橋本陽子先生率いるエコールドゥバレエで上演していたので週末はその稽古でほぼ毎週宇都宮にいたが、その公演シリーズも終わり、その分今は舞台鑑賞する時間に充てている。といってもひと昔前まで日本芸術文化振興基金や文化庁芸術祭の委員を務めていた時も仕事上実に多くの公演を鑑賞していたが、今は自分が興味ある、あるいはこれまでの舞台芸術で築いてきた人脈で繋がりのある方々の舞台を選んで足を運んでいるのでこちらの方がどちらかといえばウキウキする。
演奏会では大阪フィルハーモニー交響楽団、ボストン交響楽団、親交ある井上道義先生指揮によるNHK交響楽団7「ショスタコーヴィチ交響曲第10番」演劇公演はフランス演劇「ガラスの動物園」、オペラでは新国立劇場「ジュリアス・チュザーレ」、ミュージカルでは長塚圭史演出・前田敦子出演「夜の女たち」、大人気ミュージカル「ハリーポッター」、父の弟子でもあった美谷和枝先生シャンソンショー、そしてバレエでは松山バレエ団「くるみ割り人形全幕」、Kバレエカンパニー「クレオパトラ全幕」、ジャズダンスでは敬愛する名倉加代子先生「キャントストップダンシング」公演、東京シティバレエ団、ボナンザグラムダンス公演など多くの公演、演奏会へ観に足を運んだ。
チケット代は高額なものが多いものだかなかでもボストン響は2万7千円だった。なかなか一般客や自分の教え子たちである大学生ではとても手に届かない。学生チケットというのもあるがそんなに数は多くない。舞台芸術は制作費がかかるから国からの援助も必要なのだが何よりも出演者もそれだけのチケットを支払うだけの演奏や芸や演技、技術、踊りを示すことが専門家の務めである。舞踊分野でも松山バレエ団、Kバレエカンパニーは東京、大阪どちらも鑑賞したが完売ですばらしい限りである。清水哲太郎先生、森下洋子先生、そして熊川哲也君はバレエ界の金字塔。同じ時代に生きていることに感慨すら感じる。
今年も残りわずか。今年も振付家としてはたくさんの振付作品を上演させてもらった。
「パリジェンヌたちの喜び」
「チャイコフスキー組曲」
「シンフォニックダンス ウエストサイドストーリー」
「金と銀」
「胡蝶」
「EPISODE/エピソード」
「バヤデールより宮殿の場」
「ウエスタンシンフォニー」
「ラプソディ・イン・ブルー」
「アルルの女」
「ダンセ・ボヘミアン〜カルメンより」
「ザ・フォーシーズンス」
「Flowers/花の精たちの踊り」
13作品と他に小品も上演させていただいた。堀内充バレエコレクション、大阪芸術大学舞踊コース卒業舞踊公演、玉川大学芸術学部舞踊公演などで100名を超えるダンサーたちが踊ってくれました。1年でこれだけの自作品を発表できることに感謝します。
来年はバレエダンサーとして松山バレエ団新春公演「ロミオとジュリエット・クライマックスフェスティバル」から始まります。2年前松山バレエ団「新白鳥の湖」全幕に主演させていただき、尊敬する清水哲太郎先生の薫陶を受けバレエダンサーとして本格的に現役復帰を果たし、今は毎日2時間の身体トレーニング、松山バレエ団と朝から暮れるまで団員たちとレッスン、リハーサルに余念がありません。自分が鑑賞するようにチケット代金を払い観に来て下さる観客の皆様に恥じぬようプロダンサーとして踊りを全う致します。
皆さま、良い年をお迎え下さい。