2013年6月

月末の5月31日、東京・目黒パーシモンホールで「堀内 元・堀内 充 Ballet Collection」公演をおかげさまで無事に終えることが出来た。約2ヶ月間東京で稽古を積んできたが、兄の元は2作品、私も自身が踊る作品を含めて2作品計4作品を発表した。兄はセントルイスバレエ団公演直後でわずか2日前の来日となったが、新宿村スタジオで行われた総稽古ではスタッフ・出演者が一同に集まり、本番に向けて緊張感と活気に満ちたものであった。そして本番は多くの観客の方々にお集まりいただき、ひとつひとつの作品はそれぞれ出演者が熱演してくれたおかげで多くの拍手をいただいた。堀内充バレエプロジェクト公演としては5年ぶりで、当時の出演者からはほぼ一新したが、若い世代のダンサーと一夜をともに飾ることが出来たことが何よりもうれしかった。観客席には長年応援して下さるファンの方々はもちろん、かつて舞台で喝采をともに受けた先輩、同士、後輩、教え子、友人たちが多くかけつけてくれた。オーディションで集まってくれたダンサーたちは、この公演に向けて毎回リハーサルだけでなくレッスンからともにし、それが一期一会の連帯感を持つことができ、彼女たちにも感謝したい。この公演を機にこの企画を定着させるつもりで、すでに来年の公演も決定している。今後も多くの若いダンサーと交流していきたいと願っている。

6月の上旬には東京・青山円形劇場で玉川大学芸術学部とこどもの城が共催するPerforming Arts Fair 2013が開催され、4日間にわたり3プログラムにわかれ演劇・音楽・舞踊が競演した。私が振付したバレエ作品「SONATAS」は、昨年12月に玉川大学で上演したものの再演だったが、円形劇場の舞台に合わせリメイクし、またダンサーも一部入れ替えて2日間にわたり上演させていただいた。本番は演劇や音楽といったさまざまプログラムのなかで最後を飾る演目となった。作品はひとりひとりのダンサーがプロセスをとおして最後にCygnet(仏語で白鳥の意)のように身をまとい踊るもので、教え子ダンサーたちは文字どおりトリ演目?の重みに臆することなく精一杯踊ってくれて実に多くの拍手をいただいた。青山円形劇場は20数年前のこけら落とし公演で作品を委嘱され出品させていただき、以来ダンサーとしてもさまざまな舞台に出演した馴染み深い劇場である。このPAFでも過去3年間に3作品出品している。本年1月におとなりの青山劇場で大阪芸術大学舞踊コース生、そして今回の玉川大学芸術学部バレエ専攻生と、いずれも自分にとって大切な教え子たちが自分と同じ舞台でしかも振付した作品を踊ってくれたことはとても感慨無量でもあった。

今月は舞台が次々とありその翌々日は自分を舞踊家の道へ導いて下さった師匠のひとりでもある横井茂先生と新井雅子先生のご夫妻が主宰されているバレエスタジオの創立40周年記念公演が横浜であり、その公演でも改訂振付した「ライモンダ第3幕より祝典の場」を出品させていただいた。横井茂先生は私が主任を務める大阪芸術大学舞踊コースの先代でもあり、現在も名誉教授として節目には大学にかけつけて下さり、今回も先生ご自身から私に声をかけていただいた。言ってみれば私は先生の教え子で、そんな立場の者に振付を任せる心の広さが素晴らしかった。稽古ではスタジオで長く活躍された友人でもある三井亜矢先生がバレエミストレスをして下さり、彼女の力添えのおかげで本番は出演者ダンサーの力演を引き出し満席の会場から多くの拍手を受けた。当日の夜は記念公演成功を祝して出演者や関係者の方々とみなとみらいランドマークタワーのそばで祝杯をかさね遅くまで続いた。

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