2016年9月

 9月22日、目黒パーシモンホールでかつて私の父が主宰したユニークバレエシアターの後身であるバレエスタジオHORIUCHI主催のバレエコンサートがあった。こどもから大人まで日頃のレッスンの成果を披露するエントリー型の舞台だが、このバレエコンサートで私のひとつの念願が叶えることができた。以前ずいぶん前だがこのコラムで触れたことがあるのだが、私がつとめる大阪芸術大学舞踊コースのバレエダンサーと玉川大学パフォーミングアーツ学科舞踊系のバレエダンサーが共演を果たしたのである。
 たまたま両大学とも毎年行っている学外公演が開催されない事情となり、毎年のなか今年該当してしまった在学生である彼女たちが大学の外で踊る機会がないというのは不運で何とかしてあげたいという主任教員の立場からの想いで、自分自身のバレエスタジオではあるが舞台に立つ機会を設けようということになった。どちらも私の振付作品を出品させてもらったが、大阪芸術大学3回生13名と玉川大学芸術学部生3年生5名は前日の通し稽古で初めて顔を合わせ、一緒にバーレッスンをした。いつも毎週火曜日玉川大学、水曜日から金曜日大阪芸術大学で日頃レッスンをしていながら、東京と大阪ということもあり、まず両大学生が顔を合わす機会などなく、大学で教えて10年以上経つがこの合同レッスンは(ただの私事なのだが)画期的で記念すべき瞬間でもあったのだ。レッスン後はお互いのリハーサルにも立ち会い、終了後は私の企画で交歓夕食会までひらき、親交を深めることができた。
 翌日の本番はみな綺麗で気迫ある踊りを東京の観客に披露して多くの拍手を受けていた。
 この瞬間が彼女たちにの将来にとって実りあるものになることを願いながら私も客席で見守らせてもらった。

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