2021年8月
今年の夏、とりわけ中旬は悪天候の日々で猛暑かと思ったら雨が長く続き災害も各地起きてしまい心が痛む。
感染拡大のなかでも東京オリンピックは何とか無事に終えてほっとしている。それにしても無観客は残念。2年越しにずっと持っていた観戦チケットもパァとなりがっかり。なかでもアーティスティックスイミングは楽しみにしていただけに残念。バレエではアンサンブルやハーモニックなフォーメーションを日頃から意識しているので水中ではどのように展開されるのか観客席から観ることを心待ちにしていた。このコロナ禍が明け来年の夏に足を運ぼうと思う。
今年の盛夏はうれしくない緊急事態宣言下ながらいつもと変わらぬバレエ漬けの日々を送らせていただいた。昨年8月開催予定だった毎年恒例で行われる日本バレエ協会主催「全国合同バレエの夕べ」公演が中止となり、1年延期されて今月上旬に東京・新国立劇場オペラ劇場であり、自作のバレエ作品「グラズノフ・スイート」を上演させていただいた。このコラム2019年10月号に詳しく書かせていただいた同じ作品で、好評を賜りぜび再演をと日本バレエ協会千葉地区会員の先生方からオファーをいただき実現したもの。やはりコロナ禍をはさみ2年が経ち、キャストもかなり変わり、主役男性舞踊手は私のバレエプロジェクト公演メンバーで大学の教え子の東京シティバレエ団浅井永希君で、彼をはじめ数名の信頼を寄せる女性バレエダンサーを援軍に加えバージョンアップさせて上演させていただいた。この作品は初演以来ここ10数年のなかで何度も大阪芸術大学舞踊公演で再演を重ねてきたが、オーケストラによる上演は初めてで、また6月から始まった2ヶ月におよぶリハーサル期間、バレエミストレスのバレリーナ有光風花さんがしっかりと務め作品を磨いて下さったこともあり、とても意義深いものとなった。オーケストラ演奏を指揮していただいたマエストロはKバレエカンパニー音楽監督でおられる井田勝大氏で、この度初めての顔合わせだったが、さすが国内を代表するバレエ指揮者で演奏も力強く強く華を添えていただき、終演後は袖で力強く握手を交わさせていただいた。
中旬には20代の頃に長く客演させていただいた東京シティバレエ団全国バレエコンペティション3日間におよび親交深い安達悦子バレエ団芸術監督、国際的バレリーナ加治屋百合子さん、志賀育恵さんらと共に審査員を務めさせていただいた。
そしてこのたび、1月に「新白鳥の湖」に客演させていただいたのに続き、8月28日に渋谷公会堂・グランキューブで松山バレエ団「ロミオとジュリエット」スペシャル公演に出演させていただいた。今回も感慨深き舞台となった。このことについては次号で記述したい。