2015年5月

5月に東京で行われるプレミアムダンスガラと題したバレエ公演に振付を依頼され作品を発表することになった。公演を企画したのは同じバレエダンサーの西島数博君で、彼とは親交が深く、若い頃ともにサンフランシスコバレエ団に招かれ同じ作品を踊ったことがあり、以来お互いそれぞれ出演する舞台にはよく応援にかけつける仲になり、そんな彼が自身の公演をすることになり声を掛けてくれた。作品も彼自身がガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」を振付して欲しいというもので喜んでお引き受けした。
そのためのオーディションが開かれ、女性13名を選考させていただき、主役級の男女1組のダンサーを加えて都内のバレエスタジオでリハーサルを行なった。友情で結ばれて順風満帆で行くはずと思われたが思わぬことが次々と起こった。まず音楽は素敵なジャズ音楽ながら、いざ舞踊化させるにはなかなかの難解で百戦錬磨?の私でも手こずることが多かった。それに加えなぜかこのリハーサルではスタジオ手配の手違いが多く、振付の最中に稽古を突然中止させらたりアクシデントが絶えなく、紆余曲折の稽古の日々が続いた。
しかしである。ほとんどのダンサーと初顔合わせで、またダンサー同士も初めてながら、かえってそれが作品完成に向けて熱い気持ちを奮い立たせ主役を務める柴田有紀さんをはじめ一致団結し、振付を無事進めることが出来たのである。こうして稽古をさせていただいたスタジオ主催のスタジオパフォーマンスを経て作品も完成して、異例の本番前に夕食会まで開いてみんなで素敵な時間を共有した。その時マジックショーがあるレストランに出演者全員を招いたのだが、それもあって一同大はしゃぎであった。一期一会とはまさにこのことで、本番もダンサーの力が結集して作品に大輪の華を咲かせてくれた。

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