Jyu Horiuchi Ballet Project  

バレエダンサー・振付家  堀内 充の公演活動報告

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堀内 充の時事放談

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【 p r o f i l e 】

幼少より双子の兄(堀内 元)とともに両親のバレエスタジオでバレエを始める。

1981年モスクワ国際バレエコンクール銅賞、1983年ローザンヌ国際バレエコンクール・ローザンヌ賞を受賞し、ニューヨーク・スクール・オブ・アメリカンバレエに3年間留学。

帰国後舞踊活動を開始する。青山劇場バレエフェスティバル、新国立劇場バレエ団、松山バレエ団、東京シティバレエ団、日本バレエ協会、東京バレエグループ、佐多達枝バレエ公演など多くのバレエ公演に出演し、また南米やフランスやサンフランシスコ、韓国、中国上海、札幌のダンスフェスティバルにも招かれている。現在、振付活動として「堀内充バレエプロジェクト」を展開している。

1994年グローバル森下洋子・清水哲太郎賞受賞。

バレエダンサー・振付家として、また大阪芸術大学教授、母校の玉川大学芸術学部非常勤講師、京都バレエ専門学校講師、品川学藝高等学校特別講師、新国立劇場研修事業委員(舞踊)、バレエスタジオHORIUCHIのバレエマスターを務め、後進の指導にもあたる。

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◆2023年 12月

 今年の冬ほど不安定な気候に悩まされたことはない。温かい日もあれば寒い日もあり冬季とは呼べない季節となった。東京、大阪だけでなく11月に教え子である大学院助手・寺倉礼那からいただいた「華舞道」という奉納舞の振付で初めて足を踏み入れた高野山も晩秋とは思えない暖かさで、また12月初旬に今年も親交が続く舞踊家・川村泉先生がお招きくださった秋田舞踊祭で訪れた秋田も、何だか関東と変わらない冬の気候で期待していた?ドカ雪も降らずじまいであった。四季折々といったシーズンが自慢の日本なのに、またそれが民族の文化を創り上げてきただけに、将来の展開に危惧を抱かずにはいられない今日この頃である。

 秋は東京ではたくさんのバレエ公演が上演、各バレエ団の熱演が繰り広げられた。松山バレエ団「シンデレラ」KバレエTOKYO「眠れる森の美女」東京バレエ団「かぐや姫」「眠れる森の美女」新国立劇場バレエ団「ドン・キホーテ」ハンブルクバレエ団「ノイマイヤーの世界」といった全幕バレエを鑑賞させていただいた。近年国内バレエ界は華やかさを帯びて、海外バレエ団公演と全くひけを取らない展開を見せてくれる。それなのにいまだに「バレエをもっと知ってもらいたい」などと言って吹聴している若者も見かけるがそんな言動に理解に苦しむ。そんなことを言っている者たちこそ劇場にもっと足を運んでその目でしっかりとそれらの美しき光景を目に焼き付けてもらいたい。

 2023年も多くのバレエ作品を上演させていただきました。
「ラプソディ・イン・ブルー」
「ウエスタンシンフォニー」
「アルルの女」
「ザ・フォーシーズンス」
「ロマンシング・フィールド」
「Leaves」
「リトルフーガ」
「ロマンスとアレグロ」
「Paraphrase」
「シンフォニック・ダンス(ウエストサイドストーリー)」
「ラフマニノフ・ピアノコンチェルトNo.3」
「金と銀」
「白鳥の湖より湖畔の場」
「ロゼット」
「ファンファーレ」
「アヴェ・マリア」
「Horizon」
「グラズノフ・スイート」
「カルメン」

 大中小合わせて計19作品となりました。堀内充バレエコレクションファイナル、京都バレエ団公演、大阪芸術大学舞踊コース卒業舞踊公演および学内公演、玉川大学芸術学部舞踊公演、高野山「華舞道」、秋田舞踊祭「會ら・Dance focus」などで100名を超えるアーティスト、ダンサーたちが彩ってくれました。毎年ながら1年でこれだけの作品を発表できることに感謝申し上げます。

本年もありがとうございました。
皆さま新年2024年もよいお年を迎え下さい。
 

◆2023年 8月

 暑い季節となった。今は海とは無縁なのだが気持ちとしては行きたい気持ちはむかしと変わらない。なので浜辺に行くとうれしい気持ちになるのはバレエダンサーも同じ。若い頃常夏のマイアミシティバレエ団で踊った時はみんな小麦色の肌だった。なので日焼けしても劇場ではみんなと同じ肌色なので気にせずにカンパニークラスを受けた思い出がある。もちろんダンサーは土地柄プエルトリコ系のダンサーが多かったこともあるが。日本でも浜辺に近いところにバレエスタジオやスクールがあるところは夏はみんな日焼けしているのかな。

 大阪芸術大学で夏の公演ともいえるオープンキャンパス上演会では舞踊コースではオペレッタ「金と銀」ともうひとつ白鳥の湖第2幕より「湖畔の場」を取り上げ改訂振付をして上演した。舞踊コース主任に着任して20年あまり経つが白鳥は初めてで舞踊生24名の白鳥ダンサーたちと2ヶ月リハーサルを共にした。やはりこの3年間松山バレエ団と公演活動を共にさせていただき、この作品に馴れ親しんだことも大きい。これまでに国内で多くのバレエ団と共演させていただいたが白鳥の湖は松山バレエ団は群を抜いて作品、振付、舞台美術、ダンサーがすばらしく、そんな栄えある経験させていただいた記憶が鮮明なうちに舞踊コースでも教え子たちに踊ってほしい願いもあった。大阪芸術大学にはオペラハウスがあり、日頃から舞台上でリハーサル出来るのも強味で広い舞台空間で24羽の白鳥が揃い、アームスを広げながら展開する風景もなかなか圧巻で、時間をかけて稽古することが出来た。
またもうひとつの上演作品のオペレッタ「金と銀」も宮殿の大広間の舞踏会シーンを上演するにしても女性イブニングドレス姿、男性タキシード姿が広い舞台空間に似合う。本番ではダンサーたちの日頃の鍛錬の成果を披露した。

 京都バレエ専門学校を母体とした京都バレエ団公演が7月中旬に京都会館大ホールであり、トリプルビルのなかで自作の「ロゼット」を上演させていただいた。この作品は2010年に京都バレエ専門学校創立40周年記念として委嘱され振付したもので13年ぶりに再演させていただいた。
ロゼットとは薔薇の姿をモチーフにした胸飾りを意味し、またローザスという薔薇窓に描かれている花々を差し、それらを擬人化させシンフォニックに振付させていただいた。初演でプリンシパルを踊った吉岡ちとせさんがバレエミストレスを務めてくださり作品を復元していただいた。久しぶりにバレエ団を訪れ毎回のリハーサルは出演者全員が瑞々しい姿勢で臨んでくれてこちらも清々しい気持ちになった。本番では出演者が一体となり素晴らしく120%の出来栄えであった。稽古の成果は言わずもがなである。
この日の公演はほかに「卒業記念舞踏会」「アルカード」とフランスが生んだすばらしき名作バレエが上演された。

 夏と言えば「夏の夜の夢」。シェイクスピア台本、メンデルスゾーン音楽の名作バレエはあまりにも有名だが、この夏ちいさなこどもたちを森の妖精役に仕立て、リハーサルを開始したのだが夏に愉快なお話やエピソードは洋の東西、古今を問わない。
アメリカにいた頃、ニュージャージー州のミッドアトランティックバレエ団に招かれ、冬に「くるみ割り人形」全幕、夏に「夏の夜の夢」全幕にそれぞれ風物詩に出演した楽しかった思い出が忘れられない。そんな想いを胸に帰国したのだが来年久しぶりに夏の風物詩実現に向けて日々思いめぐらす今日この頃である。
 

◆2023年 7月

 5月公演ではさまざまな方々からの励ましやご声援、お力添えをいただいた。本番にかけつけていただいたことはもっともうれしいことだが、やはり大きなバレエ団公演とは違い、1日しか公演本番がないこともあり、かけつけられない方々も多くそれは百も承知している。観に行けないけれどエールを送ってくださることも多く、そんな方々への感謝も忘れない。
親友と呼べる数少ないひとりである熊川哲也Kバレエカンパニー・ディレクターからも公演間際に連絡をもらい、公演直前の数日前東京・西麻布で食事を共にした。毎年彼のカンパニー公演シーズンと重なってしまうことが多いのだが、多忙にも関わらずいつも観にかけつけてくれる。世界でもっとも多忙なクラシックバレエにおけるプロフェッショナルなのにかけつける。やはり一流は行動も素晴らしい。若かった頃、毎年夏にあった青山劇場バレエフェスティバルや札幌で行われたドリーム・オブ・ヤングダンサーズ公演に共に出演し、リハーサルでも本番直前でも食事している時でもいつもバレエ談義で熱く語り合っていた仲で、ロイヤルバレエ団を経て世界的なスターダムにのしあがっても途切れることなく、もう30年ぐらいずっと親交を続けさせてもらっている。今は若い頃と違い、彼は経営者としてビジネス界、また社交界でも幅広く活躍しているのに会う時は昔と変わらぬスタンスで話を合わせてくれる。この時の食事でも東京都知事に表敬訪問した時の話やローザンヌ国際バレエコンクールで審査員をした様子を話したと思ったら、「去年の充ちゃんの踊りさ、」とか「昔充ちゃんの部屋に泊まったようなぁ」と話がポンポンと多岐に渡って尽きない。こちらも彼のカンパニー創設以来20年にわたりほとんどの公演を観させてもらっているのでリアルタイムの話題も合い、最近久しぶりに彼自身が出演を果たしたクレオパトラも東京、大阪公演のどちらも観たのだが「全公演完売だったのにそんなことする友人はあんただけだ」と笑い飛ばしてくれたりもする。食事中では今回観にいけなくて申し訳ないと言い続けてくれたが、彼の会心作であるバレエ界話題の「蝶々夫人」再演を間近に控えた時のことである。彼の寛容さには感謝しかなく、人格の素晴らしさは益々進化するばかりである。今秋よりカンパニーはKバレエTOKYOとなり活動を新たにするが益々の発展を一バレエ人としても応援を続けたい。
 

◆2023年 6月

 5月19日堀内充バレエコレクションが無事に終演しました。出演者が一丸となって公演に向かい、また昔の劇団のように丁寧に公演告知しチケットを手売りして1階席が完売となり、私のバレエ界の恩師や先輩の先生、同志、教え子たちが多数かけつけて下さり、FAINALと銘打った舞台を多勢の方に見守られ感謝の念にたえません。今では大手の舞台公演では見られるようになったスタンディングオーベーションをいただき、盛大なカーテンコールとなりました。2019年公演までは振付に専念しながら、ここ数年仲間と共にふたたびダンサーとして踊る作品が増えたのは言うまでもなく本コラムで取り上げたとおり3年前から松山バレエ団全幕公演にジーグフリード役に出演、現役ダンサーとして再始動したからで、こうして4年間仲間たちと踊れたことは師である清水哲太郎先生のおかげです。今回ファイナル公演で清水哲太郎先生、森下洋子先生、そして松山バレエ団員がかけつけて下さり、見守られたことも喜びのひとつでした。
 父のもとユニークバレエシアターで活動しながら1991年より堀内充とフットライツダンサーズ、2003年より堀内充バレエプロジェクト公演、そして2013年より堀内充バレエコレクション公演と展開してまいりました。また次のライフステージで劇場の観客の皆さまとお会いすることを楽しみにしています

 なおもうひとつのライフワークである2001年度より務めている大阪芸術大学卒業舞踊公演・芸術監督は続けており、これからも舞踊学生と共に舞踊活動を展開し、今年度は今のところ堀内充版「カルメン」「白鳥の湖より湖畔の場」その他数作品を予定しており、こちらにもお越しくださること楽しみにしております。

◆2023年 4月

 ようやくコロナ禍が明けようとしている。まさか収束されるまでに3年も要するとは当時は思わなかった。思い起こせば3年前松山バレエ団の新白鳥の湖公演に向けてほぼ毎日バレエ団のレッスンとリハーサルに明け暮れていた日々が公演中止となり、街も鎮まりかえり、大学も新学期が延期され、ただ時だけが過ぎていったあの日、もう人生のなかで繰り返して欲しくない出来事である。しかし自分にとってバレエを手放すことなくずっと今日まで続けてこれたのは幸せで関わるすべての人たちに感謝の念は忘れてはならないことを肝に命じて過ごす今日この頃である。
 1月終わりに玉川大学芸術学部パフォーミングアーツ学科堀内バレエゼミの最終授業発表に続き、2月下旬には大阪芸術大学卒業舞踊公演を今年も無事に終えることが出来た。「ラプソディ・イン・ブルー」「アルルの女」「ウエスタン・シンフォニー」「フォーシーズンス」といった自作バレエ作品をラインナップに2日間にわたり大阪芸術大学芸術劇場で上演した。
 ふたつの大学で今年卒業となった22名の女子学生バレエダンサーの姿が脳裏から離れられないでいる。3月に卒業式を終え今頃どうしているのだろうかと思い巡らしてしまう。残念ながら社会、舞踊、バレエの世界は無情なところがほとんど。私と舞踊大学で過ごしたバレエ漬けの4年間を胸に頑張ってほしいと切に願っている。

 いよいよ11年間続けた堀内充バレエコレクション公演も5月にファイナルを迎えようとしている。まわりは今年で区切りとなることに驚きを隠せない方々が多く、心苦しくもありまたそんな想いを寄せてくださることに感謝の気持ちも抱き複雑な心境が続く。3月から本格的にリハーサルを始動させて大学新年度開始をはさみまもなく2ヶ月が過ぎようとしている。今回ラスト公演に自らが出演したいと申し出てくれた若者たちに特別な想いを持つ。自分から「出たい!」と意志を表すことはなかなか出来ないことだが恥ずかしいことではなく、むしろ称賛されるものである。小生もこんな今でもやりたいことを自ら打ち明ける素晴らしさを実感している。そんな想いから今回は出演者29名全員に男女お揃いプロダクションレオタード&タイツをYUMIKOの協力を得てプレゼントさせてもらった。「心をひとつに」なんて今どき恥ずかしいなんて思わず、「心身ひとつ!」となり公演最後まで全員がトップランナーとして走り抜ける覚悟で臨む所存です。

 愛するシェイクスピア「真夏の夜の夢」のラストシーンで妖精グッドフェローの一句を……
『今宵はこれにておやすみなさいまし。ご贔屓のおしるしにお手を拝借。いずれパックが舞台でお礼をいたします』
・・・妖精パックことグッドフェローはアメリカ、日本のバレエ団で演じた私の当たり役であったことは言うまでもありません。
 皆さまのお越しを心からお待ち申し上げます。

◆2023年 1月

 松山バレエ団創立75周年新春公演「ロミオとジュリエット」オールスタークライマックスフェスティバル・神奈川県民ホールが終演した。この日の本番のために昨年9月頃からバレエ団でレッスン、リハーサルを行い、10月と11月と回数を重ね、12月下旬からはほぼ毎日通い稽古に明け暮れた。松山バレエ団のロミオとジュリエットに出演したのは今回で2回目で、1年半前に渋谷LINE CUBE SHIBUYAで上演されて出演して以来で今回もロミオ役のひとりとして出演させていただいた。
 20年前にもロミオとジュリエット全幕に出演したことがあり、その時のジュリエット役は長くモスクワ・ロシアバレエ団で日本人プリンシパルダンサーとして活躍された千野真沙美さんで、現在は息子さん千野円句君がボリショイバレエ団のスターダンサーと聞く。振付は師である横井茂先生だった。その時忘れられないことは横井先生が「充、私のロミジュリの初演は森下洋子ちゃんと清水哲太郎君が踊ってくれたんだよ」と話してくれた言葉。今こうして清水哲太郎先生の薫陶を受け、森下洋子先生の相手役を務めさせていただいたことが何という縁なのだろうかと思わずにいられなかった。今頃天国にいる先生も微笑んでいるかもしれない。
 松山バレエ団の稽古は朝から夜までハードであったが、この素晴らしき瞬間を迎えるときめきもあって今回も心身充実したものであった。松山バレエ団の出演はこの3年間コロナ禍ながら5回目となったが清水先生はいつも温かくも厳しい稽古をつけて下さり、身体論から精神論に至るまでこの私に躾けて下さった。バレエ団のスタッフ、出演者仲間の方々もバックアップを惜しまずだからこそこの大役を踊れ、感謝の念にたえない。こうして新春にかけがえのない思い出をいただいた。ひとつ、舞台は厳しく辛いものだがやはりそれを乗り越えたあとのカーテンコールやレベランスは嬉しい。今回のカーテンコールの踊りでは尊敬する森下洋子先生をはじめ、先輩の鄭先生、同期のプリンシパルダンサーの山川晶子さん佐藤明美さんから後輩の男女若手ダンサーのなかにまじって円をつくりながら一緒にオッフェンバックの音楽を踊った瞬間は実に楽しかった。7名のジュリエットと5名のロミオがそれぞれ同じ衣裳をまといそれがまた愉快だったのだが、公演を見馴れた観客からは「やや?ひとり見慣れぬダンサーがいるぞ」ときっと思われていたのだろうなぁ。

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